死腔
ガス交換にて、低酸素のメカニズムは3つのパターンに分かれると言いました。
ここではさらに付け加えて死腔の話をします。
Dr竜馬の病態で考える人工呼吸器管理 P22より引用
上記の図を思い出してください。
ガス交換では、主に肺胞側の問題を挙げて低酸素と繋げました。
死腔とは、肺胞ではなく、血管の問題です。
ガス交換では肺胞側ですが、死腔は上記の図で言う血管の問題であり、空気は入ってくるけど、血流がないのでいくら呼吸をしてもそこの肺胞ではガス交換が行われません。
疾患としては肺塞栓ですね。
分類としてはV/Qミスマッチになります。

FRC=機能的残気量
肺胞は丸い形をしています。
そして、基本的に常に空気が入っています。
たとえ人が息を思いっきり吐き終わったとしてもとして残っています。
なぜ常に入っているのか?
よく言われる例えに風船があります。
風船を0の状態から膨らませると最初硬いですよね。
逆に、少しでも空気が入ってると簡単に膨らみませんか?
肺胞も一緒です。
人が口から息を吸うと肺胞も膨らみます。
その時に、FRCとして少し空気が残っている方が膨らみやすく、結果として少ない労力でガス交換ができます。
よく考えてみてください。
人が息を止めた時、人によりますが30秒くらいは息止められますよね?
これはひとえにFRCのおかげと言えます。
FRCがあれば、人が空気を吸っていない間にも肺胞に残っている空気からガス交換をしていきます。
でも血流は常に流れており、常にガス交換は行われているのでが足りなくなってきます。
その結果息も苦しくなります。

頭の片隅にでも入れておいた方が良いと思います。[
臨床上で目にするのだと、吸引したときにSpO2ガクッと下がる人と下がらない人がいませんか?
ガクッと下がる人はこのFRCが少ない可能性が挙げられます。
そういう人には、吸引前にあらかじめ酸素を吸わせて(CO2ナルコーシスには注意しつつ)を挙げておく必要があります。/st-kaiwa2]
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