病態
- 高二酸化炭素血症によって、意識障害や呼吸性アシドーシスなどの中枢神経障害を呈した状態
- 進行すると呼吸停止や低酸素血症になる
- CODPのような患者に多い
原理
通常、PaCO2の濃度によって呼吸状態を調整している
ただし、慢性的に低酸素+軽度の高二酸化炭素血症の患者(COPDみたいな人)は、脳のPaCO2を測定するセンサーが馬鹿になっており、PaCO2の値ではなくPaO2の値で呼吸を管理している
このような患者に対していきなり高濃度のO2をぶち込むと、脳が高濃度の酸素に反応して呼吸を辞めてしまう
そうすると呼吸によってO2の取り込みとCO2の掃き出しができなくなり、高二酸化炭素血症が増悪してしまう
症状
- 慢性肺疾患の既往
- 手足が暖かい
- 縮瞳
- 意識レベル低下
等をみたら疑う
対応
COPDのような患者には高濃度の酸素投与は避ける
CO2ナルコーシスに注意しつつ適時血ガスで評価も行う
注意ポイント
よく後輩に聞かれる・かつ迷いやすいことで
「SpO2が著しく下がっているCOPD患者に対して酸素をどうするか」があります。
例えば普段88%~92%(1㍑カヌラ)の人が、82%くらいまで下がっている場合
基本SpO2が下がっているのを放置するのはよくないです。
例えCOPDでナルコーシスのリスクがあったとしても、SoP2が下がったら酸素投与をためらう事はダメ。
原則は「CO2ナルコーシスのリスク<酸素投与による低酸素血症の回避」です。
その場合は、いつでも挿管できる準備をしておきましょう。
- 挿管器具
- 大きめのルート確保
- 鎮静薬
- 呼吸器
- 呼吸器来るまでのBVM
酸素投与以外でも
酸素投与でCO2ナルコーシスになるのはほとんどの看護師なら知ってて当然
他のリスクとして、睡眠薬による呼吸抑制などもリスクとしてある
看護師として
ナルコーシスのリスクは全看護師が知っていなければいけないこと。
注意ポイントにあるように、原則は低酸素の回避。
乱暴な言い方をすれば
「ナルコーシスになってもすぐにBVMや挿管して酸素保てば問題ない」
リスクを分かったうえで、ナルコーシスになったらどうするべきなのかを常に頭に入れておく
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