呼吸器科について

【呼吸器科】CO2ナルコーシス

2021年10月6日

病態

  • 高二酸化炭素血症によって、意識障害や呼吸性アシドーシスなどの中枢神経障害を呈した状態
  • 進行すると呼吸停止や低酸素血症になる
  • CODPのような患者に多い

原理

通常、PaCO2の濃度によって呼吸状態を調整している

ただし、慢性的に低酸素+軽度の高二酸化炭素血症の患者(COPDみたいな人)は、脳のPaCO2を測定するセンサーが馬鹿になっており、PaCO2の値ではなくPaO2の値で呼吸を管理している

このような患者に対していきなり高濃度のO2をぶち込むと、脳が高濃度の酸素に反応して呼吸を辞めてしまう

そうすると呼吸によってO2の取り込みとCO2の掃き出しができなくなり、高二酸化炭素血症が増悪してしまう

症状

  • 慢性肺疾患の既往
  • 手足が暖かい
  • 縮瞳
  • 意識レベル低下

等をみたら疑う

対応

COPDのような患者には高濃度の酸素投与は避ける

CO2ナルコーシスに注意しつつ適時血ガスで評価も行う

注意ポイント

よく後輩に聞かれる・かつ迷いやすいことで

「SpO2が著しく下がっているCOPD患者に対して酸素をどうするか」があります。

例えば普段88%~92%(1㍑カヌラ)の人が、82%くらいまで下がっている場合

基本SpO2が下がっているのを放置するのはよくないです。

例えCOPDでナルコーシスのリスクがあったとしても、SoP2が下がったら酸素投与をためらう事はダメ。

原則は「CO2ナルコーシスのリスク<酸素投与による低酸素血症の回避」です。

その場合は、いつでも挿管できる準備をしておきましょう。

  • 挿管器具
  • 大きめのルート確保
  • 鎮静薬
  • 呼吸器
  • 呼吸器来るまでのBVM

酸素投与以外でも

酸素投与でCO2ナルコーシスになるのはほとんどの看護師なら知ってて当然

他のリスクとして、睡眠薬による呼吸抑制などもリスクとしてある

看護師として

ナルコーシスのリスクは全看護師が知っていなければいけないこと。

注意ポイントにあるように、原則は低酸素の回避。

乱暴な言い方をすれば

「ナルコーシスになってもすぐにBVMや挿管して酸素保てば問題ない」

リスクを分かったうえで、ナルコーシスになったらどうするべきなのかを常に頭に入れておく


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