この言葉について自分なりの考えを書いてみたので参考にしてください。

こちらの記事は下記の付随記事になります。
命を扱う現場は本当なのか
命を扱う現場のため看護師は大変だ!
これ少しからくりがあります。
あくまで個人的意見として参考にしてください。
命に対するプレッシャー10段階
- 院内でのトリアージ→10
- 集中治療室のような超重症患者病棟→7~10
- 施設での夜間のオンコール対応→5~7
- 蘇生行為なしの内科病棟での看護→3~5
- 超慢性期病棟での看護→1~3
ここでの判断基準は以下の2点です。
- 自分だけでの判断になるのか
- 判断を間違えた時の命への直結さ
以下それぞれ詳しくみていきましょう。
院内での(救急外来での)トリアージ→10
大まかな流れとしては
- walk in(自分で救急外来に来た患者)の人は問診票を書いてもらう
- それぞれの患者に対して看護師が実際に話をしてトリアージを行う
- その情報を医師や他看護師と共有して誰から診察するのか決定していく
病院の規模によって医師や看護師の人数は違いますが、基本的には上記の流れだと思います。
トリアージの怖いところは、重症そうに見えなくても命に直結する病気が隠れている可能性です。
そして、その判断を行うための情報を集めるのが我々看護師であり、それをだいたいは一人で行うという点です。
例えば①
- 20代女性、やせ型、既往歴なし、聞かなくてもいろいろ訴えあり、主訴は発熱とだるさ、食事とれていない、だるいと横になりたがる
- 30代男性、太ってる、既往歴なし、無口、主訴は左わき腹らへんが痛かったけどもう治った、食事とれてる、今はつらいところなく見た目はケロッとしている
上記の患者で、どちらもバイタルサインが安定していた場合どちらを先に診察室に案内しますか?
もちろんこれだけではわかりませんが、上記の情報に加えて以下の情報が加わったらどうでしょうか?
例えば②
- 女性だけSoP2が90%だったら?
- 男性が、よくよく話を聞くと既往歴がないのは病院にかかったことがないだけで、健康診断すら受けたことがなかったら?
1の場合、すぐに酸素投与のために初療室に案内するでしょう。
では2の場合はどうですか?きっともう少し話を聞く必要があります。
例えば③
- 男性に追加で話を聞いて、わき腹らへんの痛みを詳しく聞くと実はわき腹ではなく心臓あたりの痛みだったら?
「例えば③」まで情報を取れれば男性の優先順位は上がります。
「わき腹の痛みって言ってたけど心臓あたりだし最悪の病気を除外できていないから早めの方が良いカモ」

もう一つ仮説を立ててみましょう。
例えば④
- では、仮に看護師が「例えば①」の情報しか伝えていなかったらどうでしょうか?
→医師が「左わき腹らへんの痛み」に引っかかってもう少し情報を集めてくるように伝えるかもしれません。 - では、仮に看護師が「左わき腹らへんの痛み」を「左のおなかの痛み」という伝え方をしたら?
→おなかの痛みでバイタル変動もなければそのままスルーされるかもしれません。
この流れは極端なたとえかもしれませんが、看護師の情報の取り方や伝え方で結果が大きく変わってくる可能性があり、ほぼ初対面の人たちにこれを行わなければいけない難しさがあります。
仮にこの「例えば④」までの流れになって、男性の診察が遅れた場合、私は看護師の責任が大きいと思います。
実際の場合はもう少し違うこともありますが、このようなことが有る為私はトリアージを一番プレッシャーがかかると判断しました。
集中治療室のような超重症患者病棟→7~10
集中治療室に関しては結構イメージ通りです。
一般病棟で急変する方が慣れてないスタッフも多く医師の数も足りないのでそっちの方が怖いです。

トリアージの場面と違うこととして、周りにすぐ相談でき一緒に患者の状態を見て相談できることです。
例えば救急外来に行って、看護師が診察した後に不安だからと待合室で他の看護師や医師と身に来たりすることってあまり見たことないでしょう?
そんなことされたらめちゃくちゃ不安になりますよね?
集中治療室の場合、一般病棟のように医師が捕まらないということがあまりないので、不安な場合すぐに相談できる環境がほとんどです。
絶対に同じ勤務の看護師はいますしね。
プレッシャーは高いけど、何とかなります。
施設での夜間のオンコール対応→5~7
これもイメージとしてはトリアージと似てますね。
施設のオンコールとは、夜間介護士から電話で連絡が来ることを想定した場合です。
施設の患者が体調が悪くなった場合、救急車を呼ぶかどうかの判断を看護師がすることになりますね。
これも自分の判断になりますし、トリアージと違って医学的知識を持つ人が基本的に自分一人となるのでその判断が難しいです。
なんでもかんでも救急車を呼ぶわけにもいきませんし。
その他トリアージと違うこととして、体調が悪くなった人の既往歴や内服薬、日中の様子等知っている人なのでその分難易度は下がります。
それらの点も考慮して5~7としました。
蘇生行為なしの内科病棟での看護→3~5
集中治療室の急変が1か月に1回あるとすれば、私のいた内科病棟は1年に1回急変が有るかどうかでした。
私は3年目まで実際に心臓マッサージをしたことがなかったです。
病棟にもよりますが、高齢者の多い内科病棟の場合そもそも心臓マッサージをすることもほとんどありません。
だからといって命を扱うプレッシャーがないわけではないですが、集中治療室に比べてプレッシャーは下がりますし、「命の危機で今すぐ蘇生する必要がある!」という場面は少ないです。
トリアージのように一人で判断することは少ないですし、集中治療室のよう比較的ゆっくりしているので、一つの判断をするのにもまあまあ余裕はあります。
ちなみに
Twitterでは、「急性期も慢性期もどちらも大事でどちらが上とか下とかはない」という意見見たことないですか?
これは正解だと思いますが、誤解を恐れずに言わせてもらうと
急性期→慢性期よりも慢性期→急性期の方がはるかに難しい(大変)と思ってます。
タイトルのように、慢性期病棟においてはプレッシャーは急性期に比べたら低いので3~5です。
超慢性期病棟での看護→1~3
超慢性期病棟はどういった病棟を想像されますか?
ここでいうのは以下のような場合を想定しており、命を扱うプレッシャーに上下をつけるなら一番低いと思っています。
- 自立の人が入る施設の日勤帯
- 看護業務よりも介護業務の方が多く、リハビリ目的や入院先がないような方が入られる病院
このようなことを書くと誤解を生んだり気分を害される方がいるかもしれませんが、この記事の対象はあくまで現在の職場に悩んでいる方や看護学生に向けて記載しているものであり、真実を知ってほしいためあえて記載します。
医療行為は吸引や経管栄養くらい(これらの業務も看護師資格が必要なわけではないが)で、他はほとんど介護業務やルーティン化した業務など、体力を使うけど看護師1年目でもやるには難しくない患者が対象となる病棟・施設はあります。
ポイント
ここで言いたいことは、病棟や病院による上下ではなく、たくさんの施設があり、今の職場がきついなら環境を変えてチャレンジしてほしいという事です。
看護師資格は最強の保険!噂⑨個を解説でも何度も言ってますが、無理して体を壊すくらいならプレッシャーがないところで一度休んでみるのも良いと思います。
まとめ
「命を扱う大変な仕事」の度合いは病棟によって変わります。
急性期や大病院の方がプレッシャーは大きい傾向にある為、それらにつかれた人は他の場所に目をむけても良いと思います。
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今回は以上になります。
ありがとうございました。
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