病態
TSH(甲状腺刺激ホルモン)受容体抗体がTSH受容体を刺激して、ホルモン産生が亢進して甲状腺機能亢進症となる。
- 男性1:女性4
- 20代~50代女性に多い
診断
- 採血にてT3,T4の上昇nTSHの著名な減少を認める
- 抗TSH受容体抗体陽性(説明省略)
引用元:金地病院HP
症状
主症状
メルゼブルクの3徴候 | 眼球突出、頻脈、甲状腺腫 |
甲状腺中毒症状 | 頻脈、体重減少(食べても減る)、発汗過多 |
生殖症状 | 不妊、月経異常 |
眼症状 | バセドウ病1/3に見られる |

合併症
甲状腺クリーゼ
未治療やコントロール不良の甲状腺基礎疾患に加えて、身体の負担が増加した際に生体の代償機構の破綻によって最悪の場合死に至る

治療
- 内服治療
- 手術治療
- アイソトープ治療
1.内服治療
- チアマゾール(MMI)、プロピルチオウラシル(PTU)のどちらか選択
- 第一選択はMMI
- 妊娠中(特に初期)は催奇形の報告がありPTUが選択される
- 定期的に採血必要
- コントロールがついてくれば採血データ(T3,T4,TSH等)に合わせて減量
副作用
無顆粒球症
- 開始後3か月に多い
- この間2週間ごとの採血で白血球数を検査
- 白血球数、好中球数は特に見る

その他肝機能障害も割とある
2.手術治療
- 内服治療でコントロール不良な場合
- 妊娠計画のため早急にけりをつけたい場合
→甲状腺機能亢進症が不妊の原因の一つ - 術後は逆に甲状腺機能低下症になる
→甲状腺を取るため
3.アイソトープ治療
- 副作用の関係で内服が無理な場合
- 手術治療も避けたい場合
- 妊娠希望の場合はこの治療をすると比較的長期に避妊が必要
- 比較的わかめの女性に多い
- 治療内容により妊娠への影響がある
これらのことからも、妊娠計画と治療の内容に関しては治療に詳しい医師としっかり相談していく必要がある病気です。
基本的に、不妊治療の場合にも、まずこの甲状腺の検査をされることがほとんどで、その時に初めて甲状腺機能亢進症があるとわかる女性も多いです。

看護師として
甲状腺疾患と診断されていなくても実は持ってるパターンも多い
なぜなら、健康診断の採血では通常甲状腺は入っておらず自分で追加する必要があるから
- 疲れやすい
- 食べてる割には太らない
- 動悸息切れがする
この辺りの症状は甲状腺と結びつけられるようアンテナを張ろう
患者指導の際にも、甲状腺薬の自己中断がないよう指導すると共に、致死的合併症の甲状腺クリーゼについても伝えておいても良いと思われる
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