
解剖生理
引用元:看護roo! イラストサイトより
流れと病気
観察をする上で、心臓のどこに障害が起きているかを理解するのは重要であり、心臓の流れは必ず頭に入れておく。
例えば
右心室に障害が起こっている場合
右心室が悪いため、右心室より前の場所(右心房、静脈系)に血液がたまることで症状が出る
大動脈弁の流れが悪い場合(例えばAS)
大動脈弁より先(=全身)に血液を送るため左心室の筋肉が厚くなる
ひどくなると大動脈弁より先にも十分に血液を送れなくなり、失神や心不全(左心不全)になる
冠動脈
冠動脈=心筋へ酸素や栄養を供給している血管のこと
心拍出量の5~10%が提供される
血管自体は心尖部に行くほど(番号が小さくなるほど)細くなる
数え方として、RCAで1枝、LADで1枝、LCXで1枝と呼ぶため、すべての血管が詰まっていれば3枝病変と言ったりする
- RCA:#1~4
- LMT:#5
- LAD:#6~10
- LCX:#11~15
臨床上では、○番や#○と表現されます。
またどれくらい詰まっていたのかもわかり、7番75%(#7が75%詰まっていた)のように表現します。
治療後は7番75%→0%と表現され、75%を0%にするために何をしたのかも申し送りがあります。
→血栓を吸引した、血栓をローターで削った等
この冠動脈のつまり具合によって、その患者の危険度が分かります。
基本的に根本の血管#1~2、#5とかが詰まっていると、それより下の血管に血流が届かないためヤバい
また、根本が詰まっていなくても、RCAとLADとLCX全てがちょっとずつ詰まっているなど3本すべて詰まっている場合もヤバい
ハイラテという血管
この冠動脈分類にのっていないが臨床で出会う血管があり、それがハイラテ(日本語では高位側壁枝)と呼ばれるものです。
全ての人にあるわけではなく、場所としては上の写真で有れば6と11の間から出ているような感じ。
定義はよくわかりませんが、場所が場所なので9や12と区別できないこともあります。
そういった血管があることも頭に入れて、「ハイラテもありました(詰まってました)」と言われたら、6と11の間くらいの血管と理解しましょう。
灌流領域
血管 | 灌流部位 | 障害による特徴 | ||
右冠動脈(RCA) | 右心室 左心室後・下壁 中壁の一部 |
右心房から心臓の刺激がスタートするため、障害によって徐脈や房室ブロックになりやすい | ||
左前下行枝(LAD) | 左心室前壁 中壁の一部 側壁 心尖部 |
広範囲を還流しているため、根本に行けば行くほど障害が広範囲かつ重症化する 脚ブロックを生じやすい |
||
左回旋枝(LCX) | 左心室後壁 側壁 |
12誘導心電図にST変化が出にくく見逃されやすい |
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