【基礎医学】交感神経と副交感神経【神経系】にてαとβの話をしました。
そこの部分を掘り下げます。
αとβだけで話を理解しようとすると正直わかりにくい部分もあります。
αとβが関係する薬と一緒に作用を覚えた方が覚えやすいです。

αとβの話
薬について
理解しやすいようにαとβの関係してくる主要な薬の名前を記載しておきます。
臨床ではいわゆる循環作動薬と呼ばれるものです。
詳細はまた別記事で解説します。
薬の名前 | 受容体 | 効果 | |
カテコラミン (カテコールアミン) |
アドレナリン (ボスミン、エピネフリン) |
α¹β¹β²それぞれに強烈に作用 | 血管収縮 心機能亢進 気管支拡張 血糖上昇 |
ノルアドレナリン (ノルエピネフリン) |
α¹に特に協力に作用 | 末梢血管収縮による血圧上昇 | |
ドブタミン (ドブトレックス) |
β²に特に協力に作用 | 強力な心機能亢進 |
*カテコラミンで有名なものにドパミンもあるが、臨床ではあまり使用しないので省略。
分布
αとβがどちらも分布しており、反対の作用を示している部分もある。
そういった臓器はより必要な臓器の効果を上げて、不必要な臓器の効果を下げるようにうまいこと作用する。
例として
交換神経が作用したとする。
「血管」という枠で考えた時に、収縮と弛緩どちらも下の表には書かれている。
このとき、おなじ交換神経の作用でも、戦いに必要な血管(心臓とか)にはより血流が行くように、戦いに不必要な血管(腹部内蔵=消化を助ける)には血流が少なくなるようになっている。
引用元:看護roo!自律神経系の化学伝達物質と受容体|神経系の機能 表2より
αとβそれぞれの主な作用
受容体 | 機能 | 主な使い方 |
α¹ | (末梢)血管収縮、散瞳 | 昇圧 |
α² | ノルアドレナリンの遊離抑制 (ノルアドレナリン=交感神経の伝達物質) 交換神経中枢抑制 |
降圧 |
β¹ | 心機能亢進 | 心原性ショック時 |
β² | 血管拡張 気管支拡張 グリコーゲン分解 |
気管支拡張剤 |
β³ | 膀胱(平滑筋)弛緩 | 過活動膀胱改善 |
看護師として
これだけ書いといてあれですが、臨床上重要なのはα¹とβ¹β²です。
循環作動薬として上記3つが重要なので、そこに作動する薬(アドレナリンとかドブタミンとか)を覚えればよいでしょう。
αとβの話が理解できていると、薬と作用の結び付けができるので理解も早まりますし、なぜこの症状にこの薬(例えばアナフィラキシーにアドレナリンとか)というのが分かるので楽しくなります。
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