消化器科について

【消化器科】ピロリ菌

2021年10月14日

ピロリ菌について

ピロリ菌とは、本来胃酸があるため菌が生息できない胃の中に住んでいる菌の一種。

感染経路

感染経路についてはよくわかっていない。

経口感染が大部分と言われており、乳幼児期の衛生環境が関係しているとも言われている。

その為年齢が若くなるほど保菌率は下がっている。20代~30代で有れば10人に1人くらいの割合とも言われている。

基本的に保菌しているからと言って自覚症状はない。

胃炎や健康診断等で病院にかかった結果胃カメラでたまたま発見されることが多い。

関係する病気

保菌により炎症を起こすと言われている。

炎症が続くとヘリコバクターピロリ感染胃炎になる。

また、炎症が続くと胃を保護する粘膜が消失(萎縮性胃炎)してしまう。

特に、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者は保菌率が高く、そのままだと潰瘍の発症や再発リスクも上がると言われている。

逆に、ピロリ菌を除去することでそれらの再発リスクは6~8割程度減らすことができる。

胃がんについて

胃がんとピロリ菌も関係していると言われており、未治療に比べて治療群の方が発生率は低いという研究も出ています。

現状で特別な事情がない限りは治療をしない選択肢をあえてとる必要はないでしょう。

治療

基本的には見つけた時点で除菌(=治療)を勧められる。

保険適用になるのは以下のパターン。

  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染胃炎
  • 胃潰瘍または十二指腸潰瘍
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃

治療方法は内服治療になります。

  1. 7日間除去薬を内服する
  2. 4週間あける
  3. 再検査にて除去できているか確認する
  4. 除去できていない場合再度7日間除去薬(1とは別の薬)を内服
  5. 4週間あけて再検査

2回目の除去剤で基本的に9割の人が除去に成功すると報告されています

治療上の注意点

処方された薬は忘れることなく確実に飲み切ること

でないと耐性菌が現れてしまいます。

なるべく酒やたばこ、刺激物も避けましょう。

また、常備薬がある人はピロリ菌除去の間中止にしないといけない薬もあるので、必ず医師薬剤師看護師と相談してください。

副作用

  • 下痢
  • 味覚異常
  • アレルギー症状
  • 肝機能異常

多いのは上記二つだが、軽度であれば耐性菌の問題もあるためのみ切りましょう。

潰瘍の原因について

潰瘍の原因は何もピロリ菌だけではありません。

それ以外にも原因はあり適切な生活習慣を身に着けることが大切です。

  • NSAIDs(一番メジャーはロキソニン)
  • ストレス
  • 酒たばこ
  • 暴飲暴食

ピロリ菌再検査について

多くの人にとって胃カメラは辛い検査です。

再検査で胃カメラをやられるのかと心配になるかと思いますが、基本的には胃カメラを使用しない検査で確認してくれます。

方法としては3つ

  • 抗体検査
  • 尿素呼気検査
  • 便中抗原検査

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