
そもそも夜勤があるってわかってて看護師になったんじゃないですか?
実際何が辛いのか分かりづらいから教えてください。

この記事の内容
- 夜勤をやる辛さのベスト3を解説
- 夜勤を乗り切るコツについて
- 夜勤専従について
この記事の作者について
- 3次救急病院で夜勤ありの看護師をしています。
- 現在は集中治療室勤務です。
- 勤務は3交代です。
- 20代の看護師夫婦です。
好き嫌いが分かれる夜勤業務
看護師によって好き嫌いがはっきり分かれます。
新人の頃は緊張するしあまり眠くなったりしないかもしれませんが、年を取るごとに夜勤の付き合い方を考えていかなければなりません。
私は夜勤が理由で看護師をやりたくありません。
とはいえ給料の中で夜勤手当は重要であり非常に悩ましいですよね。
夜勤の辛さベスト3
- 人間の生理的なリズムに逆行して働く身体的精神的な辛さ(70%)
- せん妄(25%)
- 医師との関係(5%)
人間の生理的な生活リズムに逆行して働く身体的精神的な辛さ。
まとめてしまうとこれに限ります。夜勤が辛い、嫌な理由の7割はこれです。


こちらの看護師の勤務形態。メリットデメリットを解説の記事で勤務形態についても記載していますが、生活リズムはズタボロになります。
- 患者が寝ている横で自分はモニターの値を見たりせん妄患者の相手をする
- 家族が寝ている横で静かに起きて仕事に出かける
- お風呂に入った後に仕事着に着替える
結局人は日中起きて夜寝るようにできているのです。
私は大学のころコンビニ夜勤のバイトもしたことがあります。
その時は全然問題なく、むしろ「夜は人来ないしめっちゃ楽じゃん。これで時給も高いし余裕だな」位に思ってました。
私生活でも夜通しゲームしたりも余裕です。
そんなに甘いものではないです。

普段の生活で夜中起きていることと仕事をするのは全く違います。
ちなみにですが、夜勤が辛い辛くないは人によってきっぱり分かれる傾向にあり、まったく辛くない人もいます。
辛くない派の意見としては
- 日中に比べて患者が寝ている割合は多く、やること自体も少ないため楽
- 給料はその分もらえて日中に比べて楽なためむしろたくさんやりたい
実際私も看護師になって数年はこの意見でした。変わり始めたのは結婚してからです。
- 家に妻を残して仕事に行く不安
- 逆に妻を暗い中見送らなければいけない不安
- 3交代のため家族と時間を合わせる困難さ
辛くない派の方々を見ていると比較的若くて結婚していない人の方が私の周りでは多いです。
また男性の方が比較的夜勤に対して抵抗がない人が多いです。
辛くない人もいるよというのを一応紹介しておきます。
注意ポイント
ちょっと主旨とずれるかもですが、夜勤について触れたので夜勤をするうえで考えなければいけない弊害についても紹介しておきます。
夜勤をやるという事は想像以上に体にダメージを受けます。その結果、看護師は比較的子供が出来にくい傾向にある気がします。
勿論何の根拠となるデータもないですが、夜勤以外にもストレスがかかる職種であり、実際私の周りにも不妊治療をしている方は想像以上に多いのだと最近気づきました。
子作りに関しては夫婦生活の中でも非常に大きな要素のため、頭の片隅にでも入れておいた方が良いと思います。
せん妄
- 自分が入院していることを理解できずさらわれたと勘違いしだす
- 点滴を理解できずに自分で引っこ抜いてしまう
- 昔のことを思い出し仕事に行ってきますと夜中に急に荷物をまとめて出ていこうとする
- モニターのピコピコした音を孫が泣いていると興奮しだす
文字だけだと笑えるけど現実は全く笑えない。
これらを実際に患者は本気で思っており、さらに夜中に発症する率が高いです。
さらにさらに起きると全く覚えていません。さらにさらにさらになぜかせん妄は他の患者にも伝搬して一人がなると同じ部屋の患者もなる確率がグンと上がります。
もっと怖いのは、これらが認知症がない年配の人や、おじさんおばさんでもなる可能性があるという事です。
これらに対して対応の仕方はあるのですが、理屈が通じないだけに非常に大変です。
集中治療室であれば、抜かれると本当に死ぬような機械もあるため麻酔のような強力な薬で眠らせたり、抑制といって実際に手足を縛って動けなくしたりという事もありがちですが、一般病棟の場合は集中治療室のような大義名分がない分より大変だと思います。
医者との関係
強いて挙げるならになりますが第3位です。
基本的に院内には看護師や必要最低限の医師や技師さんを除いて夜間は医療者はいません。
そういった夜中であったとしても医者に報告をしたり「どうすればいいですか?」と指示を確認しなければいけない場面が必ずあります。
集中治療室の場合は医師が常駐していることが多いため聞きやすいのですが、一般病棟の場合医師はいないことが多いため医師の携帯にかける必要があるわけです。夜中の2時とか3時に。
もうお分かりかと思いますが、医師は寝ており、看護師も基本的に起こしたくないし看護師だけで対処できるようなことなら何とかしたいです。
でもそういうわけにもいかず「先生ごめんなさい!」という気持ちを持って電話するのですが、医師の中にはあからさまに不機嫌オーラ全開で来る人もいるわけです。
酷いときだと「そんなこといちいち報告するな!」とガチャ切りされることもあり(解決してないので結局もう一度かけ直すが)、電話する医師によっては非常にストレスがかかる仕事の一つと言えます。
夜勤を乗り切るコツについて
2交代と3交代によっても違いますが、夜勤中は長丁場になることが多いです。
特に新人の頃は緊張しっぱなしでしょう。
無事乗り切るコツとしては以下の2点です。
- 暇なときに準備を完璧にしておく
- 患者を起こさない
暇なときに準備を完璧にしておく
電子カルテの場合、テンプレートを作ることができます。
夜勤の場合夜中は比較的忙しくないので、私はその時間にあらかじめ記録を仕上げていました。
例えば
- Aさん
バイタル正常。麻痺ありorなし MMT● - Bさん
尿量●ml 嘔気ありorなし - Cさん
起床時の薬左記時刻内服確認 気分不快ありorなし
このように予想されることと記事を仕上げて、少しの手直しで完成できるようにしていました。
とはいえこの方法はもろ刃の剣です。
頭の固い融通のきかない看護師に見つかると怒られる可能性があるので注意しましょう。
新人の頃はどこを見るのかについても難しいと思いますが、私の勉強ノートを順次こちらのブログでも公開していくので参考にしてください。
効率化できる部分はどんどん効率化していくべきです。
勉強ノートで疾患の勉強+後々記録のテンプレートも作成していく予定なので参考にしてください。
患者を起こさない
これに関してはこちらの努力でどうこうなるものでもないですが、基本的に患者は起こさないようにしましょう。
逆に言えば、患者を起こさなければこちらの快適性もアップします。
患者が起きて一番困るのはせん妄になることです。
積極的に眠剤や薬剤使用しましょう。
元も子もないですが、結局新人の頃の夜勤の快適さは一緒に入る看護師に理解があるかなんですよね。
夜勤専従は夜勤が辛くない人にはメリットしかない
夜勤が辛くない人たちにとっては夜勤専従(日勤がなく夜勤しかやらない人)は良いことだらけです。
- 夜勤しかないため月10万程度増えることもある
- 生活リズムが夜に合わせることになるが昼間の仕事がないので逆に整う
- 日勤に比べてやることは少ないため業務的には楽になることの方が多い
- 育児休暇を取る場合、直近半年の給料が反映されるため育児休暇中の給料を上げることもできる
このようなメリットもありこぞってやりたがる人が多いです。
まとめ
看護師の夜勤の現状を踏まえて辛い理由について記載してきました。
夜勤に関しては本当に人それぞれ合う合わないの差が激しいため、一度経験してみることは必要です。
仮に自分には無理だと思ったら体調を崩す前に夜勤が必要ない部署に移る決断も必要です。
ぜひ働く場所選びの参考にしてみてください。
関連記事
このテキストは最後に消して下さい(50%)
-
-
看護師向けの勉強ノート
続きを見る
このテキストは最後に消して下さい(50%)
-
-
私の給料これくらい
続きを見る
今回は以上です。
ありがとうございました。
にほんブログ村に参加しています。
クリックしていただけると励みになります。