働き方について

【ICU】新卒看護師におすすめの病棟や病院は?【精神科】

2020年12月2日

お悩みNs
看護師は忙しいって聞くけど病棟での違いはあるんだろうか?
自分自身が行くべき病棟をどうやって選べばいいかわかりません。
1年目におすすめの病棟はありますか?
こんな疑問を解決してきます。
ばらもん

この記事の内容

  • 外科と内科の違いが分かる
  • 集中治療室、オペ室についてわかる
  • ICUや精神科のような特殊領域も含めてそれぞれの病棟毎の特徴が分かる
  • 自分の傾向に合わせて1年目から行くべき病棟が分かる

作者

  • 3次救急病院の集中治療室で働ています
  • 集中治療室以外にも内科病棟の経験もあり、記事作成に当たって改めて私自身経験がない病棟の看護師にもインタビューしました
  • 妻も看護師として働いており、男性女性両方の面からアドバイスできます

注意ポイント

大前提として、私は1年目から行くべき病棟はどこに行っても問題ないと思っています。
また、当然ですが以下の記事は私が働いている3次救急病院での経験のため全てに通じるわけではないことをご理解ください。

内科と外科というおおきな分け方でも意外と働き方は違う場面が多い

聴診器をかけている看護師

一言でいうなら以下のようになります。

  • 外科=オペがある→オペが終わったら退院(=治療のスケジュールが分かっている)→患者の入れ替わりが激しい
  • 内科=オペがない→治療のスケジュールが画一的ではない→入院期間が外科に比べて長期化しやすい
外科 内科
オペ オペがある オペがない
年齢層 年齢的にも身体的にも若め 年齢的にも身体的に高め
認知症患者 少ない 多い
疾患数 比較的単一的 複数疾患を持っている患者が多い
看護師の傾向

 

ハキハキ・ガツガツ系が多い のんびり・おっとり系が多い
1人の患者との関わる時間 短い 長い
忙しさの種類 患者の入れ替わりが激しいことに伴う忙しさ 患者の身体的な援助に伴う忙しさ
業務のスピード感 早い ゆっくり
患者とゆっくり関われる時間が欲しい人 ×
患者と話すのが実習の時苦痛だった人 ×

もう少し詳しく掘り下げていきます。

前提として忙しいのはどちらも忙しいです。

当院では残業に関しては内科病棟の方が多い傾向です

外科について

一般情報

看護師1人の担当する患者(いわゆる受け持ち患者)は内科病棟に比べて多め。だいたい集中治療室の2.5倍~3倍程度の人数。

現代の病院の流れとして早期退院を目指します。

そのためオペ終了後早期リハビリ早期退院を目指し、その際に使用されるのがクリニカルパス(以下パスと表現)です。

このおかげで、オペが問題なく終了すればパス通りに退院してくことが多いです。

逆に言えば、スケジュールが決まっているという事は看護師サイドでやらなければいけないことも決まっており病棟の流れは速い傾向にあります。

また、オペができるという事はオペに耐えられるだけの体力があるという事です。

そのため自分のことは自分でできる方が多いため体位交換や食事介助などの生活援助の頻度は内科病棟に比べて少ない傾向になります。

(特に整形外科とか)比較的若い患者も多いですね。

看護師の傾向としても、ハキハキしている方が多く一つ一つの行動もスピード感があります。

患者からしたら(リハビリで無理やり動かされる、行動が早くせっかちな印象を与える等から)おっかないと感じる方もいますが、同じ看護師からしても言動の端々からちょっと圧を感じる方(悪い意味ではなく)が多い印象です。

疾患の勉強という面では、内科に比べてその病棟単体の疾患しか見ない傾向にあります。

患者の入れ替わりが激しいとは?

患者1人が入院すると、看護師サイドでは処理する書類や看護計画立案等多岐にわたります。

  • 看護プランを立てる
  • 必要書類の記載と処理
  • ルートの確保
  • クリティカルパスや病棟ルールの説明

上記は一部ですが、これに加えて元々入院している患者のクリニカルパスにそってリハビリや入浴介助などを進めていきます。

慣れたら入院の対応は流れ作業にはなりますが、忙しいことに変わりはありません。

患者の入れ替わりが激しい外科病棟とはつまり

  • 入院処理に関する業務も多く病棟の仕事のスピード感が早い
  • 流れ作業になりやすく患者一人一人とかかわる時間は内科に比べて短い

内科について

一般情報

看護師一人の担当する患者は外科に比べて同じくらいかやや少なめ。だいたい集中治療室の2.5倍~3倍程度の人数。

内科といっても幅広いですが、クリニカルパスが少ない分入院が長期化することも多いです。

そのため一人一人の患者と接する時間は多くなるためより深い話をする率も高いことが多いです。

患者との信頼関係を築きやすくもありますが、逆に言えば合わない患者や対応が大変な患者(認知症や横柄な患者等)とも長期間接することが多くなり、それに関してはストレスの一環となります。

患者の年齢層も高いため患者に対する体位交換や食事介助といった援助は多いです。

疾患の勉強という面では、内科病棟に入院する人は基礎疾患を複数持っている方が多く、複数の病気を見るという意味では外科に比べて向いているため勉強にはなります

また、内科系に入院する患者の特徴として、入院を契機に家に帰れなくなる患者も多いです。

入院してADLが落ちたため家ではなく施設に入る、介護保険や訪問看護を入れて家に帰る手段を探すといった調整も入院中の看護師の大きな仕事の一つです。

私の病院ではこれらを退院調整と呼んでいますが、こちらに関してはいずれ別記事で紹介したいと思います。

ポイント

退院調整に関しては、大きい病院ならそれ専用の部門も作られているほど奥が深いかかわり方であり、今後在宅部門(訪問看護)が増えることは世の中の流れとして確実にあります。

それらの勉強ができるのは大きなメリットと言えますし、自分のキャリアを考えるうえでも必要な知識になります。

年をとっても勉強しやすい内容にはなるので(退院調整に体力は必要ないため)「明確に退院調整をやりたい!」というのでなければ無理して1年目から行く必要はないです。

ちなみに、私自身は集中治療室部門に興味はあったが勇気が出ずに最初の病棟は内科病棟でしたが、その選択自体は間違っていなかったなと思っています

内科部門で疾患を勉強して空いた時間で集中治療室部門の人工呼吸器や補助循環装置(IABP、PCPS等)の勉強をしてから移ったため比較的スムーズに入ることができました。

集中治療室はハイリスクハイリターン、オペ室は実は一番働きやすい部門の一つ

手袋と抗生剤の瓶

集中治療室

看護師一人の担当する患者は2~4程度。

世間一般ではICUとして認知されていますが、他にもCCU、SUC、HCUなどがあります。

大きな病院であればICUはほぼ必ずありますが、それ以外のCCU、SUC、HCUについてはない病院もあります

もしCCUがある病院で、心臓を見れるようになりたいのであれば、心臓系の重症患者はCCUで見ることになるのでICUに行っても心臓系の患者はいないため注意が必要です。

一般病棟を複数年経験して集中治療室に移った私の考えとしては、年齢が上がれば上がるほど集中治療室の門を叩くのは勇気がいるようになります

やはり一般病棟と比べて患者の重症度やスピード感は違うため

  • 「それらについていけるのか?」
  • 「この年でこんなことも知らないと馬鹿にされないか?」
  • 「急変時の対応なんてほとんどやったことないが大丈夫だろうか?」

様々な不安が付きまとうため、最初から集中治療室もありだと考えます

いずれにしろ、看護師のキャリアを考えるうえで今後管理職の様なマネジメント部門、専門的な資格を取ろうと思っている方は一度経験しておくべきだと思います。

ばらもん

以下にそれぞれ違いをまとめてその後に掘り下げていきます。

ICU HCU SCU CCU
主な疾患 問わない

全ての重症疾患

問わない

ICUと一般病棟の間

頭系の疾患

くも膜下出血、頭部外傷等

心臓系の疾患

心筋梗塞、心臓オペ後等

年齢層 全年代 全年代 どちらかと言えば高めだが若い人も来る この4部門の中では一番高め
看護師の傾向 外科的気質に近い
男性看護師も明らかに多い
チームプレイも重要視される傾向
業務のスピード感 病院内では一番早い
患者の入れ替わりも激しい
患者とのコミュニケーション 意識がなかったり麻酔で眠っていることも多く少なめ

ICU・HCUについて

全ての疾患、全年齢層が対象となるため勉強するべき内容も一番多いです

3次救急病院である当院には、交通事故で腕がちぎれた人や足の骨がボロボロになっている人、脳梗塞や心筋梗塞となりDrヘリで運ばれてきた人など様々な疾患が運ばれてきます。

もちろん院外だけでなく院内で急変した人(病院の廊下で倒れていた、一般病棟で状態が悪くなった等)も運ばれてきます。

外科病棟で記載した「患者の入れ替わりが激しい」はあくまで予定されいてる患者の入れ替わりですが、集中治療室の場合は予測できない入れ替わりも多いためより忙しい場面が多く、次の日に来たら患者が全て入れ替わっていたという事もあり得ます。

入室する患者本人は意識がないことも多いですが、その家族は急なことで混乱していることが多いためその対応も必要になります。

場合によっては病院に来た時点で亡くなっている患者もおり、そういった悲しみのどん底にいる家族に対して声をかけなければいけない場面もあります。

逆に重症患者が回復していく過程も見ることができるため、その過程にやりがいを感じる看護師も多いです。

また、上記の表でチームプレイと書きましたが、急変時(突然心臓が止まった、急に意識がなくなった等)は医師看護師が中心となって心臓マッサージや挿管等蘇生に当たります。

集中治療室にいる限りこの蘇生行為は避けては通れない事ですが、そういった対応ができるようになることは看護師にとってかなりのスキルですし実際の場面を体験して「アドレナリンがドバドバ出る」といった看護師もいます。

重症患者を相手にして、目の前には少しの変化で死ぬ患者がいる状況はかなりのプレッシャーがかかります。

疾患数も多く、それぞれの必要な観察項目を把握している必要があるため大変ですが、臨床で肌で感じて実際の場面を見ることは成長スピードとしては一般病棟に比べて段違いで成長できます

「ICUで看護師をしている」という事は勿論自信になりますし、他の看護師から見ても一目置かれる存在にはなれるでしょう。

ただし、何度も書いているようにプレッシャーも様々な要因から強いためつぶれない覚悟も必要です。

SCU・CCUについて

S=Stroke=脳卒中、C=Cardiac=冠動脈という意味でICUの頭・心臓Verと思ってもらえばいいでしょう。その部位に特化した患者が入室します。

対象疾患としては以下になります。

  • SCUであれば脳梗塞や脳出血といった頭蓋内病変、てんかんや痙攣発作などもこの領域です。
  • CCUであれば心筋梗塞や心臓オペ後(弁膜症、血行再建術等)

基本的な内容は上記の「ICU・HCUについて」と同じで重症患者を対象とすることが多いためプレッシャーはあります。

とはいえICUと違い疾患がある程度限局されているため、そういった意味ではICUよりも門戸を叩きやすいでしょう。

これらの部門に共通して言えることとしては、頭(神経)や心臓の知識はどの領域に行っても必ず強みとなるということです。

看護学生時代に覚えた心電図の知識や12神経の知識など、実際に看護師になってみるとわかりますがあいまいな知識のままでよく分かっていない看護師が多いのも事実です。

そういった中で

  • 麻痺の知識や12神経のつながりなどが見れます
  • 心電図を読むのが得意です

これらの知識は非常に強みになります。

頭と心臓は生命維持に必要不可欠であり、全ての領域で必要な知識ですが、なくても看護師として働けるということも事実だからです。

上記にも書きましたが、対象が限局されている分ICUに比べて門戸として叩きやすくその中で看護師に必要な知識も手に入りやすいためおすすめではあります

まとめると

集中治療室とはつまり

  • プレッシャーは強いが医療的な知識をつけるには最も成長が早い部門
  • 患者が回復していく過程や蘇生させられた達成感を感じられる部門

精神科やオペ室のような特殊領域部門について

手術で血の付いたはさみやメス

精神科について

近年は精神科と言わず心療内科と言われることもありますが、就活の時期に大学生と話をすると必ず聞かれます。

お悩みNs
「最初から精神科に行くと知識や技術がつかないからおすすめしないと聞いたが本当ですか?」
最初から精神科に行くと知識や技術は他の部署に比べて遅くなるかもしれないが、その分看護師の業務に追われることなく好きな領域を勉強できる時間も他の科に比べて多くとれる。

1年生の間に身につく技術はドングリの背比べなので最初の病棟はそこまで気にしなくていい

ばらもん

実際精神科に限らず部署によって比重が置かれる知識や技術は違います。

そして看護師の技術に関してはやれば身につくし、やったことがなくても清潔操作ができていれば何とかなります。

技術に関しては先輩に見られているから緊張してしまうという面もあり、年数がたって落ち着けば初めての技術でもなんとかなることが多いです

実際私の働いている集中治療室には1年目から精神科に行って、その後にいきなり集中治療室に来た人もいますが問題なくやれています。

精神科は内科に比べてゆったりしているところも多いため、その分ゆっくり働くことができます。

勿論精神科に入院するくらいなので、コミュニケーションに関してやや癖がある人もいますが、そういった対応の仕方も技術の一つであり、上記に記載した精神科から集中治療室に来た方のコミュニケーションは同業者から見ても上手だと思います

ポイント

1年目で大事なことは、なにより精神的にゆとりを持って働くことができるかであり、ゆとりを持つためには病棟の忙しさ度合=先輩の余裕度合に繋がるため病棟自体がゆっくりしているということは非常に重要なのです。

だからこそ1年目から精神科という選択肢も視野に入れるべきです。

ちなみに精神科も男性看護師は多いです。

オペ室について

オペ室は病棟とはまた違ってかなり特殊な領域です。

オペの内容に関しては多岐にわたるためここで記載はしません。

そのためそれ以外の福利厚生や実際の働き方について私がランキング形式で良いなと思う面を記載していきたいと思います。

  1. 夜勤がない
    基本的に夜勤がありません。ただし、オペ待機と言って呼び出し(夜中に緊急でオペをやることになったら呼び出される)はあります。
  2. 土日休み&カレンダー通りの休み
    土日は緊急手術を除いて開いていないし、休みもカレンダー通りです。そのため年末年始もGWも上記の待機はありますが基本的に休みです。看護師以外の職業と休みは合いやすくママさんNsに人気です。
  3. 患者の相手をしなくてよい
    これに関しては実際に働いてみないとわかりにくいのですが、起きている患者を相手にしなくていいというのはかなり楽です。
    オペ室の場合基本的に患者は動けないし麻酔で意識がないことも多いですから。
    病棟のように意味の分からないクレームを言ってくる人やNsコールを寂しいからという理由で連打してくる人がいない事、業務が忙しくても患者からの申し出のため自分のペースで仕事を進められない事などとは無縁であり、Nsコールがないという恩恵は看護師になって初めて理解できる部分です。
    逆に言うと患者とのコミュニケーションに楽しさを見出す人はオペ室は寂しい場所になるでしょう。
  4. 休みがきっちりしている
    オペ中Drはずっと同じですが、看護師は時間が来たらオペの途中でも別の人に変わったりします。病棟では昼休憩も削ったりして仕事する場面もありますが、オペ室の場合は病棟に比べてそういったことは少なめです。

逆にここはちょっとという場面は何でしょうか。まとめました。

  • 夜勤がないため給料は病棟に比べて低い
  • 世間と休みが一緒のため混んでいる時期に旅行に行ったりしなければいけない。
    ちなみに私は休みを世間での大型連休とずらしてとって(GWの次の週とか)旅行に行ったりしますが、1週間違うだけで料金が半額になったりします。
  • 患者とのコミュニケーションがないためそういった部分が好きな人には多少物足りない
  • Drとのコミュニケーションが重要。
    病棟以上にオペ室はDrの性格が出やすい場所です。ある意味ブラックボックスでもあるためDrとはうまく付き合えるようになる必要があります。
  • 閉鎖的な空間ではあるため、病棟以上に女性社会化している(派閥とか)
    いわゆるお局的な人は、病棟に比べて働きやすい環境ではあるため多い傾向です。

オペ室自体は働く環境としては非常に良いと思っていいでしょう。

まとめ

長々書いてきたが結局最初に行くのはどこの病棟がいいのか?自分はどこに行けばなりたい看護師像に近づけるのか?

最後に簡単にまとめたので参考にしてみてください。

希望内容 お勧め部門
最初からバリバリ成長したく精神的にへこたれない自身があり
自分の気持ちの中で少しでも救急医療や集中治療室に興味がある
集中治療室部門
最初から集中治療室はちょっと怖いけど興味ある
そこに繋がる勉強ができるところがいい
脳外科や循環器内科、オペ室、総合診療内科
しっかり勉強はしたいが大変すぎるのも嫌
ほどほどのちょうどいい病棟
外科系の整形外科や眼科泌尿器科
比較的まったり目の内科系病棟
夜勤は絶対にやりたくない 病院では実質オペ室以外不可
(記載はないが)訪問看護のためそこに繋がる病棟もあり
男性が多いところがいい 集中治療室部門=オペ室≧精神科
その他外科系病棟や男性が師長の部署
患者とゆっくりコミュニケーションをしたい
入院中だけでなく在宅領域(訪問看護)にも興味がある
内科系病棟や精神科
緩和ケアを行っている病棟
将来行きたい認定や専門看護師の分野が決まっている人 その分野に行って早くから上司にアピールしておく
上司が資格を持ってればなお良い

 

参考記事

今回は以上になります。

ありがとうございました。


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