前回までのあらすじ
- 購入に値する古民家5件目を見つけたよ
- 前回は【古民家改修5】前向きに購入を検討できる古民家です
古民家購入において私の悩みが増大しています
前回興奮気味に古民家を紹介しましたが、改めて本当に購入に値するのか冷静になって考えてみます。
また、【古民家改修4】で紹介した明治元年建築 最上級古民家が売れたと思っていたのですが、なんと市場に復活しているではありませんか。
今までで一番購入に近づいたといっても過言ではない古民家の復活で、私の中でまた一段と悩みが大きくなりました。
同時に、仕事の面でも昇進や今後の将来的なビジョンがより明確になってきたおかげで、今までは古民家の近くで仕事を探そうという気持ちだったのが揺らいできました。
そのあたりも含めて、今後の事にもかかわるので上記2つの古民家をより詳しく比較していこうかと思います。
今回はまず古民家①についてです。
明治元年建築 最上級古民家
石場建て | ◎ |
値段 | 600万→◎ |
土地の広さ | 約400坪→◎ |
大黒柱や梁 | 大黒柱7~8寸→〇 |
屋根の状態 | 茅葺トタン、葺き替え済→◎ |
接道状況 | △ |
周辺環境 | 〇(△より) |
市のやる気 | × |
売り主のやる気 | ◎ |
これは前回までのデータ表です。
これを詳しく記載します。
値段
400坪+状態の良い古民家で600万は安いですが、現代の法律では古民家の価値は0円なのでこの600万は単純に土地の値段ということになります。
のちの周辺環境でもお伝えしますが、不動産会社の重要告知事項に該当するような土地で1坪辺り1.5万は高いというのが私の印象です。
交渉次第ではありますが、1坪1万が妥当と考えて購入時は交渉するつもりです。
土地
400坪という広さは完璧です。
建物としては母屋+独立した離れがついています。
古民家にありがちな蔵や倉庫等はついておらず、ほぼ正方形の土地であることに加えて南側が大きく開けています。
土地の形や広さについては言う事ありません。
上下水道も付いており、もう少し田舎の方に行くと下水道が整備されていない地域も当たり前の県なので、下水道が通っているのは大きなポイントです。
ただ、接道状況がいまいちです。
これに関しては後述します。
大黒柱や梁、屋根
内覧時に太さや状態を見ました。
太さはできれば1尺欲しかったのですが贅沢は言えません。
シロアリに食われたような形跡もなく、こちらに関しても言う事ありません。
屋根も葺き替え済みで言うことなし
接道状況
現代の法律では接道義務というものがあり、土地に対して4mの道路に2m以上接していなければならないというものがあります。
ただ、古民家を購入しようとしている方にはこれはあまり問題にはなりません。
というのも、この接道義務はいわゆる新築を立てるときに必要になるものであり、古民家に住みたいという人はわざわざ古民家を壊して新築を立てるという人はいないのでそこまで問題になりません。
実際この古民家も、接道は4m未満でしかも私道です。
ですが私道の持ち主は古民家の持ち主と一緒ですし、トラックが通れるくらいの幅はあるためそこまで問題視してない。
ではなぜ接道状況を△にしたのかと言うと、敷地内に入る際に水路を挟んでいるからです。
勿論接道が4m未満なので、大型トラックが通れずリフォームの際に多少割増しになるのもマイナスですが、私的にはこの水路を挟んでいるという事の方がはるかにマイナスです。
というのも、水路を挟んでいるという事は敷地内に入るのに橋を架けなければなりません。
実際に今の時点で橋は架かっているのですが、車が入るようには出来ていないので、敷地内に車を入れようと思うと新たに橋をかけ直す必要が出てきます。
そして、水路の上に橋を架けるという事は、水路の持ち主に使用料を払う必要が出てきます。
不動産会社を通して水路の持ち主も橋を架ける許可もとれていると確認できていますが、使用料が最終的にいくらになるのかが分かりません。
仮に橋を架けても、毎年数万単位を支払うのは嫌じゃないですか?
購入したとなるとこれから死ぬまでそのお金を払い続けなければならず、固定資産税と思って払えばいいのですが気持ち的に購入したのに借りてる部分があるというのも非常に気持ち悪いです。
これが接道状況で大きなマイナスになっている要因です。
周辺環境
いわゆる県庁所在地の郊外であり、それに関しては問題ありません。
車で走れば大型のショッピングモールもあり、周辺にはコンビニやスーパーもあります。
歩いていける距離ではありませんが、車で5分程度であり車社会の田舎なのでそこまで問題視していません。
幼稚園や小学校も子供の足で歩くには少し遠いですが、車であれば5分程度という微妙な位置なのでまぁ問題ないでしょう。
どちらにしても昨今の状況を踏まえて送り迎えは車でするつもりだったので、近いに越したことはないがまぁ許容範囲ギリギリと言ったところです。
県庁所在地なので当然少し走る必要はありますが高校の選択肢も多く、同時に習い事の選択肢も田舎の方に比べて多いです。
私はこの選択肢が多い状況というのを重要視しているのでそこについては完ぺきではないですが、他に比べたらましです。
病院も比較的大きな2次救急の病院が近くにあり、当然少し走れば大学病院もあります。
問題は周辺ににおいや騒音が予想される土地であるという事です。
具体的には、空港と家畜場です。
空港に関しては、以前内覧時に飛んでいるところを見ましたがほとんど気にならない音でした。
古民家という性質上高気密にできないので騒音に関して少し心配な面はありますが、市の騒音に関する苦情を見ても同じ土地から騒音に対して苦情が出ているのは見られなかったのでたぶん大丈夫だと思う…。
家畜場に関しては、現在は閉鎖されておりどこまでにおいがあるのか分かりません。
内覧にも何度か行ってますが、その時は一度たりともにおいに関して気になったことはありません。
ただネット上の口コミを見ていると、においはその時に状況(風が強い、雨が降ってる等)によっても違ってくると記載されています。
現在は閉鎖されてしばらくたっているので大丈夫だと思いますが、施設としては残っているためいつ再開されるとも限りません。
なので、においに加えて将来的な不安という意味でややマイナス評価となります。
これまで私は古民家を探す→仕事を探すというスタンスで来ました。
ただ、現在の特養で将来的なビジョンが分かってきて、端的に言えばそちらに関してもやりがいを感じています。
この古民家から今の仕事場まで毎日通うのは不可能ではないが厳しい距離になります。
仕事との兼ね合いをどうするかという視点が今までなかったのですが、その視点が新たに加わったためより難しく悩ましくといったところです。
市のやる気
県庁所在地なので、県としては田舎に分類されますが黙っていても転入ある程度来ると予想されるため、他の市に比べて移住に関してはやや手厚さが下がります。
ただ、他の部分で子供の医療費についてだったりインフラ的な面であったりは、少なくとも他の市と比べて劣っているという事もないため、移住に関しては×ですが市全体の評価としてはそこまで大きなマイナス評価ではありません。
田舎すぎると移住支援は手厚くても絶対的な資金不足や子供の数の現状によって小学校閉鎖という事も考えられますが、そのあたりも心配は現状でありません。
ちなみに、どこの市でも都市計画というものがあり、「これからこんな感じで発展していくよ」というスケジュールが用意されています。
もし移住を考えている人は、移住先の市の都市計画については見ておいた方が良いと思いますし、移住した後10年後その市がどういった推移をたどっているだろうかという視点も必要だと思います。
移住支援も結局は市長のやる気や能力次第という事もあり、移住した当初は手厚かったけれど、10年後市長が変わってガラッと変わってしまったという事も考えられます。
移住支援という政策も勿論重要ですが、それ以上に結局市としてどれだけ魅力があるのかという視点は忘れない方が良いでしょう。
売り主のやる気
この古民家が市場に復活して久々に会ってきましたが、相変わらずいい人でした。
購入が遅れても、建物が経年劣化で悪くなるという事はこの売り主ではなさそうです。
建物自体
私は中身がどれだけ綺麗かというのはそこまで重視していません。
どうせフルリフォームするつもりなので。
とはいえ綺麗に越したことはないので、比較ですしここに関しても記載します。
中身は白アリの形跡もほぼなく非常にきれいです。
今すぐそのまま住めと言われてもまぁ問題ありません。
間取りも母屋はほぼ当時の形を残しており、建物の状況に関してはほぼ完璧です。
まとめ
- 接道状況における水路の使用料がどうなるのか
- 周辺環境のにおいと騒音がどうなのか
- 子供の就学環境をどこまで許容できるのか
- 自分自身の仕事との兼ね合いをどうするのか
この辺りがこの古民家を選ぶうえで大事なポイントになりそうです。