前回までのあらすじ
- クロニカの人めっちゃいいこと書いてるじゃん
- 新築にかける金なんてないよ。35年ローンすれば?無理無理
- ボットン便所?リフォームすればいいじゃん
- 築100年?なんかかっこいいじゃん。ビンテージものじゃん
- 前回は古民家再生①古民家に関心を持つまでです
古民家を見つける。内覧する。くじける。反対される。
前回の記事で、私がどのような経緯で古民家に興味を持ったのか、どのようにその魅力にはまっていったのかをお伝えしました。
今回は実際に内覧したときの様子をお伝えできればと思います。
由緒正しき総工費億越えのお屋敷を見つける
古民家に興味を持ち、大手不動産サイト、空き家バンクを中心に古民家を探します。
そして、みつけました。
写真は外観と和室1部屋、間取り図が載っています。
えっと、一階に10部屋くらいあって、2階も部屋あるね。大人数で集まっても安心やな。リフォームで壁を取り外せば広くできそうだね。
家の他にもう一軒家があるね。これはいわゆる離れってやつか。
周りは門で囲まれてるのね。めっちゃかっこいいじゃん。
土地の広さは・・・400坪か。ちょっとよくわかんないけど、まぁ大は小を兼ねるっていうし、子供が生まれた時も庭で遊ばせることができるってクロニカに書いてたし。
めっちゃいいじゃんこれ!
値段も1000万以下で手に入るやん!

今考えるとめっちゃポジティブ。
何の疑いもなく古民家に対して理想を抱いてました。
その物件は空き家バンクで見つけたため、市が持ち主の連絡先を教えてくれました。
そのままの勢いで売主さんと連絡とります。
多分結構な熱量だった気がしますが、その熱量を上回るくらいの答えが来ます。
- 古民家を探している
- 家は取り壊さずにそのまま住みたいと思ってる
- 歴史ある家に住みたい


- 今は他県に住んでるけど定期的に帰って手入れをしているが高齢で大変
- 売主の祖先が市のお偉いさんで当時としては珍しい建築方法で建てた
- 非常に由緒ある家で、今に直すと億くらいのお金をかけて造られている
- 家族からは取り壊すことも言われたけどどうしてもできなくて新しく引き付ける人を探してたので本当にうれしい
- リフォームとなれば私の知り合いとかも呼んで手助けするよ
こんな感じのことをA4用紙5枚くらいの量で送られてきました。
もうめちゃくちゃテンション上がりまして。
何度かやりとりして内覧当日を迎えます。
内覧する
売主さんは後期高齢者で、聞けば数か月に1回は東京から出てきて家の管理をしている様子。
日々の管理については現地の近くに住んでいる親戚に頼んでいるようでした。
ちなみに
もし古民家を内覧する場合、空き家になった後も売主がどれだけ家を管理できているかは非常に重要です。
空き家になっていたとしても、管理のため定期的に手を入れられている古民家の状態はいいですし、そもそもそれだけ常日頃から管理されている古民家はそこに住んでいた時から丁寧な生活をしていたという保証にもなります。
逆に、どんなに立派な家でもまったく手が入らなくなった古民家が朽ちるのは非常に早いです。
元々が木と土でしか作られていないので、雨漏りなんか放置すればすぐに修復不可能なレベルまで行ってしまいます。
内覧するときは今までどこを修繕してきたかも大事ですが、それ以上にどれだけ定期的に家の管理を出来ていたのかを確認しましょう。
世間話もそこそこに、さっそく古民家を見せてもらいました。
- 周囲:道狭い。敷地はいるのに立派な門がある。
- 土地:広すぎ。池がある。大きい木もある。雑草魂。井戸の存在感。
- 外観:でかい。屋敷。旅館。壁が一部ない。離れが普通に一軒家。
- 内部:壁から枝が生えてる。ボロボロ。柱太すぎ。朽ちてても高級感。
- 売主:めっちゃいい人。一生懸命説明してくれる。かわいい。
- 設備:ボットン便所。風呂が埋まってる。雨漏り痕。
これからもわかるように、圧倒的スケールの屋敷に私は圧倒されました。
しかし、私は一目見た時からわかってましたよ。
「これは無理やな」
もうね。リフォームとかのレベルではない屋敷。多分ちゃんと直したらそれこそ億いくくらい。
もちろん口には出していない。
看護師として培った技術を駆使して乗り切ります。
でももしかしたらちょっと態度に出てたのかもしれません。
いや、もしかたらちょっと口にしてたかもしれません。
「家に興味を持ってくれたのはうれしいけど難しいですよね」
的なお言葉を頂戴する。申し訳ない。
結局その日はそのまま終わり、後日丁寧にお断りの連絡をいれました。
この古民家を最初に見て、その後約1年くらいかけていろいろ古民家を見るのですが、スケール感で言ったらその子民家が一番すごかったです。
ちなみにその家はまだ残ってます。
仲良くなった工務店の方に聞いた話だと、家の歴史や規模からみても売主さんもなんとか残されようと尽力されているようです。
- 取り壊さずに引き継いでくれるならお金はいらない
- 市や国などから歴史的な家として助成金の話もいただいている
- せめて私が死ぬまでは残してほしい
私個人としても、狙ってる古民家を手に入れた後は、なんとかこの古民家を残せるように手を貸したいです。
古民家の規模は違えど、全国でこのような事例は多数あると思います。
家の思いを引き継いで残してくれる方を売主と古民家は待っておられます。
くじける
最初にこの古民家を見たので、しばらく立ち直れませんでした。
今考えると失敗です。
この古民家は例外として扱うべきスケールの家だったのですが、最初に見た古民家のためそれを基準にしてしまいました。
その結果しばらく内覧はせずに過ごしていました。
まぁ結局内覧も再開して、今はほぼ理想的な古民家を見つけたわけですが。
ちなみに再開した理由は、やっぱりクロニカを見たり、YouTubeで古民家の動画を見たりして古民家に対する思いを復活させることができたからです。
反対される
最初にこのスケールの古民家を見たことで、私がくじけたこと以上に失敗だったこと。
それは、妻を一緒に連れて行ったことでした。
当時の妻の認識としては
- 古民家見に行くよ
→汚さそう。寒そう。虫いそう。幽霊でそう。 - 由緒ある家だって
→すごいねー(興味なし) - めっちゃ広いよ
→掃除大変そう - 売主さんも定期的に手を入れてるって
→へーそうなんだ(それ家と関係あるの?)
ようは全く古民家に興味なし。なんなら他の同僚とか先輩も立派な家を建ててるので新築が夢。
多分世間一般もおおむねこんな感じの反応だと思います。
そんな妻を連れて行ったものですから。
もう一目見た時からテンションダダ下がり。
私は古民家好きなので興味深く見れましたが、知らない人からしたらただの古くて暗くてでかい風呂なしボットントイレの家ですから。
井戸なんて私はテンション上がりますけど妻からしたら井戸=貞子でしかありませんからね。
私が妻の買い物について行って化粧品の違いを説明されてる時くらい興味ありません。
古民家の認識ってそんなもんです。
結果として、妻の古民家に対する興味は
- 興味なし→絶対嫌だ
に代わってしまったんですねー。
まぁ1個だけよかったこともあったんですけど、それはまた別の今後の記事で紹介します。
結果的に、私たちの古民家との出会いは最悪でしたという話でした。
安心してください。あきらめなければいい古民家はまだ残ってます。
古民家の構造について記載しました。
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