個人的な古民家の内覧時重要視点
- 石場建てか否か
- 値段
- 土地の広さ
- 大黒柱や梁の存在感
- 屋根の状態
- 接道状況
- 周辺環境
- 古民家がある市のやる気
- 売り主側のやる気
【古民家改修4】古民家内覧の日々にて古民家を内覧する際に重視している点を9つ挙げました。
個別で説明していくので参考にしてください。
ちなみに個人的な感想なのであくまで参考程度。
石場建てか否か
これに関しては超個人的な意見。でも私にとっては一番大事な要素。
石場建て、つまりは基礎がない家の下がスカスカの家を古民家と私の中では定義しています。
そのため、たとえ江戸時代に建てられた家であっても、(リフォームなどで)基礎がある時点で古民家としての価値は私の中ではありません。
これに関しては好みなので人それぞれで良いのですが、基礎があると古民家の免震構造が崩れているのでそのあたりはよく考えた方が良いです。
免震構造や基礎については以下の記事で紹介しています。
参考記事
値段
まぁ当たり前と言えば当たり前。
勘違いしないで欲しいのは、この値段というのは購入価格だけを言ってるのではありません。
購入費用+リフォーム費用を含めた価格を言ってます。
つまり、購入前からある程度リフォームにはどれくらいの費用が掛かるのかを考えてから購入を検討するべきなのです。
私も看護師なので実際の所どれくらいの費用が掛かるのか正確に知ることはできませんが、専門家に相談することで
「大体○○円かければ■■の状態まで持っていける」
これくらいはわかります。
簡単に言うと見積もりを取るという事なのですが、間違ってはいけないのがこの見積もりを大手リフォーム会社に頼んではいけません。
自分で古民家に強い工務店を見つけることができる人は良いですが、基本的には各県に古民家再生協会があるのでそこに加盟している店にまずは話を持って行ってください。
参考記事
また古民家という性質上、実際にリフォームをして内部の状態を確認するまでは正確な見積もりは出ないと思った方が良いです。
そのため自分はどれくらいまでならお金をかけれるのかをよく家族と相談してください。
- 古民家を安く買ったはいいが、リフォーム費用が思った以上にかかり結局新築以上になった
- リフォーム費用を当初の見積もりよりも大幅にオーバーしてしまった
これに関しては非常によく聞く話です。
現代的な基準で快適に住もうと思ったら、なんだかんだでお金はかかります。
大切なのは、購入前に相談することです。
- 本体価格→500万以下
- リフォーム費用→1000万以下
あくまで目標値なので、本体価格+リフォーム費用で2000万以下を一つの基準としています。

土地の広さ
最低200坪。理想は450坪前後。
200坪の場合はよほどの好条件でなければ対象にはなりません。
ちなみに畑も絶対に欲しいので、畑の広さ+宅地の広さで上記位欲しいです。
宅地200坪+畑でも可能。
とはいえ現実的に、これだけの広さがあり古民家も残っている土地+上記の値段というのはほとんどありません。
少なくとも私が以前住んでいた政令指定都市には絶対にありません。
逆に田舎に行けばこのような条件もチラホラあります。
古民家が絶対に欲しい人は、基本的に田舎を基準として考えましょう。
超特殊な例を除いて山林は負動産です。
山林はたいてい売り手がつかないので、今の持ち主が代々相続していくことになります。
持ち主に許可をもらって入って遊んだりするのは良いかもしれませんが、間違っても購入しないようにしましょう。

大黒柱や梁の存在感
【古民家再生00】古民家の構造でも記載したのですが、大黒柱に関しては理想は1尺。
最低でも7寸は欲しい。これに関して明確な理由はありません。
単なる自己満であるため存在感というあいまいな言葉を使っています。
梁に関しても、2階建ての古民家の場合は見れることもありますが、平屋の場合あえて見ようとしないと梁は見れません。
そのため、内覧時は必ず梁を見るために屋根裏に行かせてもらいます。
逆に言うと梁を見れないと購入する気は起きません。
個人的な感想として、太いだけではだめで入り組んだ複雑な形だと非常にうれしい。
東北地方の梁組は、豪雪に耐えるため太く入り組んだ形状になっている印象があり好みです。
どのような梁組が好みなのかは自分の感性になるため、こればっかりは現物をたくさん見るしかありません。
できればリノベーションされた古民家の梁ではなく、リノベーション前の梁組を見てください。
屋根の状態
屋根の状態と書きましたが、具体的には瓦が葺き替えられているかという事です。
葺き替え=新品の瓦になっているという事です。
これは、屋根がリフォーム費用の中で高額を占めるからです。
次の項目で紹介する接道状況によっては、余裕で1000万コースになることもあるくらいには重要です。
また、屋根の状態が古民家の状態を表している言っても過言ではないです。
石場建ての古民家というのは基本的に1950年以前に建てられているものになります。
古民家は茅葺を除くと瓦の屋根がほとんどであり、瓦の寿命を考えると現代まで存続するためには一回は葺き替えが必要になってきます。
逆にこれまで一度も葺き替えられていない古民家の瓦は、購入後近い将来必ず葺き替えが必要になるためリフォーム費用が大きく上昇することが予想されます。

これまでの古民家を見てきた経験として、屋根がしっかり吹き替えられている古民家はしっかりと手入れがされています。
古民家にとって雨漏りは一番の大敵であり、私は雨漏りがしていないだけでその古民家と古民家の所有者の印象がかなり上がります。
- 屋根がしっかりされている=大切にされている古民家
この図式は意外と当てはまっています。
接道状況
具体的には接道がトラックが入るほど広いのかという事です。
古民家にはたいてい広い土地がセットでついてくることが多く、本当に有用な土地であれば大手の不動産会社が購入して売りに出しています。
そういった事がなされずに古民家が残っているという事は、よっぽど持ち主が大切に守ってきたものか、もしくは不動産会社からは見向きもされない評価の悪い土地のどちらかです。
基本的に前者であることは少なく、仮にあったとしてもそういったパターンは売りに出されないか出されても高額な場合が多いです。
基本的には不動産会社に見向きもされない評価の悪い土地であることが多く、
経験上接道状況が悪いというのは以下のパターンが多いです。
- 単純に接道が狭いもしくは舗装されていない等接道自体の問題
- 家の敷地に入るために川の小さな橋を渡らなければいけないという問題
- 家をぐるりと塀で囲っており、敷地内に入るためにどこかを壊さないと入れない問題
この接道状況が何に関係してくるかというと、リフォームや引っ越しの時に非常に高額な請求をされることが考えられます。
リフォームにしても引っ越しにしても、一度にたくさんの荷物を運べた方が良いに決まってます。
そのためには、大きなトラックが入る必要があり、大きなトラックが入るためには当然広い道が必要になってきます。
古民家が作られた当時は車が一般的ではなかった時代もあるため、車が通る想定で道が作られていない可能性も高く、往々にして接道状況は悪いです。
以外に見落としがちな点ですが非常に重要なため、内覧時は必ず確認してください。
後ですね
「トラックは通れるけどすれ違いがギリギリすぎる道路に面している」
これもダメなパターンです。
さらにその道路が交通量が多いと最悪です。
というのも、その道路の片側を封鎖する場合交通整理の人を雇ったりいろんなところに許可をもらったりなど大変になりお金も余分にかかります。
またそういった場合工事車両を入れようとするのにも交通量の多い道路を通っていく為時間がかかったりして大変です。
広くて交通量が少ない道路がベストですが、そういった条件までそろうのは稀なのであきらめましょう。
何かを得るためには何かを失う必要があります。
周辺環境
これは現代の家でも一緒ですが、私の場合はスーパーと病院と子供の学校です。
まぁこれは誰でも一緒なので深くは語りません。
古民家的な視点で言えることは、古民家の元々の持ち主の親戚が隣に住んでいるパターンも多いため注意が必要です。
この辺に関しては人それぞれなので多くは語りません。
私はそのパターンで購入を見送ることはありませんが、さりげなくどういった人かは探りを入れます。
また、私の条件では田舎にしか古民家がないのですが、田舎ならではとして都会よりも地域行事や町内会の集まりは盛んです。
人のつながりに関しては田舎のイメージとしてあると思いますが、町内会費については意外と皆さん見落としがちです。
田舎で祭りが盛んな地域だと
- 祭りのたびに寄付金を要求される
- 祭りの神輿のために、自治会の入会金が数十万する
- 人が少ない分町内会費が高い
- 高齢者が多いので、若い夫婦はどうしても率先して動かざるを得ない
古民家の周辺環境とはこういった事なので、一般的なもの以外にも上記のようなことは不動産会社に確認しておきましょう。
古民家がある市のやる気
古民家というよりは移住の話になりますが、市のやる気も重要な要素になります。
古民家に引っ越す=移住ということになります。
市が移住に積極的なところはまずお金が出ます。
私の検討している古民家がある市は住宅改修の補助として100万円でます。
基本的にどこの市でも出るのは出るのですが、少ないところだと最大で20万と市によってかなり差があります。
お金の面以外でも、市が積極的なところは移住者もやっぱり多いですし、自分の子供が大きくなった時に市として残っている可能性が高くなるわけです。
私はアラサーなので小学校の情報などは気になりますし、さすがに同級生がほとんどいないというような市には移住する気にはなりません。
また前述の通り、現代で残っている古民家は土地として問題があることも多く、将来的に古民家を手放すのか、民宿やカフェなどに転用するのか等出口戦略を考えて購入するべきであり、出口戦略を考えるときに市のやる気というのは非常に重要な要素になります。
売り主側のやる気
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売り主側の売り主以外には注意せよ
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売り主側のやる気というよりは、売り主の古民家に対する思い入れも私は重要視しています。
そのため内覧時には必ず売る主の情報も聞くようにしています。
- 年齢はどれくらいか
- この家で生まれ育ったのか
- 現在も近くに住んでいるのか
- どれくらいこの家を売りたがっているのか
これらの情報は結局古民家をどれだけ大切に扱っているかに直結することであり、古民家の性質上メンテナンスフリーでは必ず朽ちるため売り主の思い入れは非常に重要です。

そういった人は、古民家を残して欲しい思いが強いため、相場とかけ離れた値段で売ろうとはしません。
逆に、買主側で値段競争になった場合は、値段よりも古民家への思いを重視してくれる傾向にあると思っています。
逆の言い方をすれば、買主側の人となりも売り主側からは見られているという事です。

まとめると
- 石場建てか否か
- 値段
- 土地の広さ
- 大黒柱や梁の存在感
- 屋根の状態
- 接道状況
- 周辺環境
- 古民家がある市のやる気
- 売り主側のやる気
勿論これ以外にも検討する部分は大量にあります。
この能力を養うには多くの古民家を見て経験値を上げるしかありません。
少しでも良い古民家を見つけるためにも、足を使って探していきましょう。
私も相談にのることはできるので、もし迷っている方がいればTwitterでDMかこちらのブログから連絡をどうぞ。
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